秘すれば花
秘すれば花
数年前に放送された
日曜日劇場【とんび】をみた。
その中で、この秘すれば花
という言葉を知ったのだ。
ドラマでは母親の死因についての
内容であったが、この言葉の魅力が
私の心に深く残ったのだ…
この秘すれば花とは【風姿花伝】からきている。【風姿花伝】とは室町時代初期の猿楽師世阿弥が父観阿弥の教えにもとづいて書いた理論書。現在の【能】の原型となった【猿楽】の理論を論じているそうだ。
原文の触りを紹介すると…
秘する花を知ること。秘すれば花なり、秘せずば花なるべからず、となり。この分け目を知ること、肝要の花なり…
現代訳では…
秘密にすることが人を魅了する花につながる。それを知ること。「秘密にすれば人を惹きつけられる。秘密にしないと惹きつけられない」という。この分け目を知るのが、人を惹きつけることにおいて重要である…
人間知らないほうが上手くいくこともあると思う。知ってしまったが為に、その知るが障害となり進む邪魔となるのである。他者による暗示も、それに似ていると思う。
実はあの人…こうだってさ。
それが真実か否かに関係なく、内容によっては付き合いに障害を生じる事もあるのではないか…
人の悪口大会で盛り上がる事は、自分で自分の障害を増やしているだけではないだろうか?
私は過去の経験もあって人をゼロから見るように心掛けてはいる。中々難しくはあるが…
仮に私だけがその秘密を知ってしまったとしても、その人にとって道徳的に問題がなく、秘する必要があれば蓋をし、その人に接していきたいと思った次第…
人間誰しもトラウマやコンプレックスはあるものではないだろうか。
秘すれば花
良好な人間関係を築く
秘訣を見た気がする。